エレキギターを始めたい!
でも、何をどうしたらいいか分からないし、とりあえず楽器屋さんでオススメの初心者入門セットを買おうかな…
ちょっと待って下さい!僕自身も初心者入門セットを買った一人ですが、正直、それが最善の選択だとは思いません。不満が募って要らない出費が増えたり、いい音出なかったりして何とかしようとする。そうしてるうちに新しい出費が増えることがほとんどです。
そこで、僕自身が「エレキギターを買う前に知っておきたかったこと」をここでは書いていきますね。
なぜ初心者入門セットを買うと高くつくのか?
まず初心者入門セットについてくるアイテムはだいたい以下のようなものです。
- エレキギター本体(初心者入門モデル)
- 安いギターアンプ(定価で2000円~3000円くらいの)
- ギターを立てると倒れそうなギタースタンド
- ギターピック、ギターチューナー、カポタスト、交換用の弦セット
- ストリングワインダー、ギターストラップ、ソフトケース、ポリッシュ
- ギターシールド(ギターからアンプにつなぐ線のことをシールドといいます)
たしかに、これらさえあれば、あとはアンプに電源を入れるだけでギターは弾けます。でもこれ、罠なんですよ。ほほ99%の人が困難な問題に直面することになります。そして安く済ませようと思ったのが仇となって結果的に余分にお金を使うことになってしまったり、せっかくギターを買ってみたものの弾いても楽しくなくてだんだんギターを触らなくなったりして、初心者入門セットを買って後悔することになります。
なぜかというと「音がおもちゃみたい」で「弾きにくい」上に「音作りの選択肢が少ない」からです。詳しくみていきましょう。
初心者入門セットの罠
僕が買ったのはフェルナンデスから出てたXのhideちゃんモデルの初心者入門セットでした。
(本体はFernandez MG-50X。当時セットで55,000円でした)
初心者入門モデルのギター本体には特に不満はないですし、今もよく弾いています。
でも、当時はすごく不満でした。なんでかって、おもちゃみたいな音しかしないからです。
では、なぜおもちゃみたいな音しかしないのか?
理由は「安いギターアンプ」と「品質の悪いギターシールド」を使っているから。
そして、さらに不満に直面していきます。ギターを弾くほどに。練習すればするほどに不満は増えていきます。
「全然アーティストさんの音にならない」「音の表現をもっと広げたい(モヤモヤ)」
「ほう、エフェクターってのがあるのか…エフェクター買えば音良くなるかなぁ」「ディレイ?コーラス?ディストーション?気になるなぁ…買ってみて試してみたくなるなぁ!」
不満だから解決したくなるのは当たり前だし、いろんな音が欲しくなるのは必然です笑
何が言いたいかというと、初心者入門セットからスタートした場合、
エフェクターを買ったり、ギター本体以外の何かを良いものに変えないと、どうしようもないんですよね。それは初心者入門セットが「とりあえずギターを弾けるようにする」ことのみに特化して、安く揃えたセットだからなんです。
そうしてほとんどの人は、新しいギター、新しいアンプ、いろんなエフェクターを買い漁るようになります。気づけば積み重なった金額が莫大な金額ことになっているなんてことは、ギタリスト界隈ではあるあるです。
そこで僕からこんな提案をしたいと思います。
必要なものだけを’安く‘揃えよう
ギターを最初から楽しむために必要なものと入手方法を厳選します。
●エレキギター本体
初心者入門モデルの本体を中古で購入します。購入手段は、通販ならメルカリ。店舗で購入ならハードオフやセカンドストリート(通称セカスト)で買います。
メーカーはLegend、PhotoGenic、PLAYTECH、SELDERなどが安いです。それより少し良いモデルならSquier、Fernandez、Epiphone、GlassRootsなどがあります。僕はメルカリで送料込みで4999円~6999円のギター(送料込み)を、セカストで3300円のギター(税込み)を購入しましたが、問題なく使えています。
●ギターシールド
本体の次に大事なのが、実はシールドです。初心者入門セットについてくるシールドは品質が非常に悪くて、どんなギターでもチープな音になります笑
たとえ30万円を超えるギターをつないでみたとしても、少しマシになるくらいで安っぽい音になってしまう。専門的なことを述べるなら、ちゃんとしたシールドより極端に音のハイが落ちたり、芯のないカサカサの音になったり、初心者入門セットについてくるシールドではギター本来の音を出すことができないんです。
シールドは楽天で3000円くらいのシールドを買うのが良いと思います。
→このシールドくらいのがオススメです(Providence)
参考までに僕が現在メインで使っているシールドは島村楽器さんのHISTORYシリーズのハイクオリティPROモデルです。それでも1万円くらいで買えます。
●スピーカー
アンプではなく、スピーカーと書いているのにはちゃんと理由があります。なぜなら、ギターアンプは必ずしも必要ではないからです。その点の詳細は後述しますが、とりあえず、ギターの音をモニタリングできるスピーカーを買えばいいと考えておいてください。
もちろん、ライブやスタジオでバンド練習する時には、ギターアンプを使いますが、家で楽しく弾く分には必要がないということです。
ちなみに、僕の使っているスピーカーはパソコンのモニター用のEDIROLのかなり古いスピーカーです。
●マルチエフェクター
ギターを始めてすぐは機能が分からなくても大丈夫です。マルチエフェクターを使うのには理由があります。最大の理由は、MarshallやFenderなどの有名なアンプをシミュレート(再現)してくれること。そして各種エフェクター(ディレイやコーラスなどの空間系や、イコライザー、コンパクトエフェクターをたくさん持っているかのようにいろんな名機の歪み系をかけられる)が一台持ってるだけでカンタンにできるからです。
これからギターを始める人に個人的にオススメするエフェクターはBOSSのGT-1です。中に入っているオリジナルのプリアンプ(HIGAIN STACKやNatural Cleanなど)が優秀ですし、パソコンから直観的に音色を編集してセッティングを行える便利さがあります。もちろん、僕自身もGT-1を使っています。
ちなみに先述したスピーカーとGT-1をつなぐケーブルはヤマダ電機さんとかヨドバシカメラさんとかビックカメラさんとかのオーディオ機器コーナーに置いてます
●必要なアクセサリー
ギターピックとクリップチューナーは楽器屋さんで好みのモノを買いましょう。楽天市場やAmazonでも購入できます。
ギターの弦は弾いているうちに必ず弦を交換する必要がありますし、初心者入門モデルを中古で買うと最初の弦交換は必ずしたほうがいいです。ですので交換用の新しい弦のセットを買います。有名な弦メーカーのErnie BallやD’Addarioなどでもいいのですが高いのでおすすめしません。
僕がオススメするギター弦はPhoenixさんの弦です。品質の良いニッケルワウンド弦が3つセットな上に、ギターピックとギターの指板やボディを拭くクロスまで付いてます。楽天市場で998円で送料無料で買えます。
ギター弦は年々高くなってきていますし、例えばErnie Ballだと1セットで800円以上する時代、コーティング弦のエリクサーだと1セット1400円もしますから、3セット998円はとても安いんです。
●その他
ギターのソフトケースはバンド練習などギターを運ぶ場合には必要ですが家で弾く分には必須ではないです。ギターストラップもバンドやる時に好みのモノを買えばいいです。ギタースタンドはなくても立て掛ければいいです笑
あと、ワックスとかポリッシュって、僕はあまり使わないんです。プロのギタリストがあまり使わないアイテムのひとつです。個人的には必要ではないと思います。
カポタストは特に最初のうちは要らないと思います。カポを使うことで変にラクしようとして技術が磨かれないパターンの人をよくみかけるので、むしろ最初はカポタストは使わない方がいいかも?と僕は思います。もし使うならPhoenixさんのカポタストをおすすめしますよ。
必要なものを揃えたらセットアップしましょう
ギター本体は中古なので、ギターを綺麗に拭いてから、新しい弦を張ります。弦の交換などが分からない場合にはギターに詳しい友達や親族、あるいは楽器屋さんのリペアマンさんにやり方を教わりましょう。
エレキギターとGT-1をシールドで繋ぎます。
GT-1をスピーカー、もしくはセカストとかで売ってる800円とかの安アンプに繋ぎます。安アンプにINPUTからつなぐ場合はGAINの位置を1に設定、BASS、MIDDLE、TREBLEは5の位置に設定し、VOLUMEで音の大きさを調整してください。なるべくGT-1の音をそのまま出す設定にします。だから先に述べたとおり、スピーカーでよくってギターアンプは必要ないんですね。
GT-1とスピーカーの電源を入れます。
ピックを持ってギターを鳴らしてみましょう。GT-1の音色をパソコンで編集したり、プリセットを弾いて遊んだりします。
初心者入門セットから始めるより、遥かに自由度の高いスタートが切れますし、音も断然良い状態からギターを楽しむことができます。
総額の目安とひとつの問題
- エレキギター本体=5000円と仮定します
- ギターシールドに3000円。
- スピーカーは3000円だとします。
- GT-1を定価で買うとして24,200円
- ピックとチューナーに4000円
- ギター弦に998円
総額は40,198円。シールドとGT-1はどうしてもこのラインになるので、あとはエレキギター本体の価格や各種アクセサリーで変化する感じですね。
では初心者入門セットを買ったらどうなるか?単純に考えたら入門セットのほうが安いでしょってふつう思いますけど、それが安くならないんですよね。ほとんどの場合、
なぜなら初心者入門セットを買って、コンパクトエフェクターなどをどんどん買っていく沼に陥る人は多いんです。
僕もギターを始めた当初そうでした笑
その場合、コンパクトエフェクターを買うたびに、1~5万円はお金が飛んでいきます。
コンパクトエフェクターに限った話ではないですが、ギターのアイテムって集めだすとキリがないんです苦笑 それよりはリーズナブルにギターを始められると捉えた方がいいかなと思います。
さて、最後にひとつの問題があります。それは初心者入門モデルのギター自体にあります。何かというと
「高いギターと比べて演奏しづらい。安い作りなので弾きにくい」という問題です。
高級なギターと弾き比べると、初心者入門モデルより遥かに弾きやすいことに気づくと思います笑
でもそれはメリットでもありますし、ただ弾きにくいだけ、だと僕は思います。むしろ、最初ほど弾きにくいギターから始めた方が演奏技術が上達しますし、しっかりギターを鳴らす練習になっていいと僕は思います。
一部のプロを除くほとんどのプロのギタリストであれば初心者入門モデルであろうが良い音を鳴らすことができます。鳴らすことができるという表現が正しいかな?なぜならギターをしっかり鳴らせる技術があるから。
そして、案外
プロでもたまにいますけど、弾きやすいギターばかり普段弾いていると弾きにくいギターを手にした時にギターを鳴らせないんですよね。だから、高級なギターでしか良い音を鳴らせないギタリストって実は世の中にたくさんいるんですよ。
そんなこともあって、これからギターを始める人には、是非一度、一定期間だけでいいから、初心者入門モデルから始めてみて、ギターを鳴らすように練習していただきたいと個人的にはそう願っています。
ちなみに僕は毎日の練習で初心者入門モデルを使っています。弾きにくさって練習する分にはトレーニングになりますし、日常の基礎練習だけでも初心者入門モデルを弾いて練習するメリットってとても大きいんです。
何より気楽ですからね。
ぶつけても「まあいっか」ってなりますし笑
普段そうやってて、たまに高いギター弾くと「めっちゃ弾きやすっ!」ってなるの、けっこう楽しいですよ♪
一番最初って、楽しむのがいちばん
とても大切なことを言います。
エレキギターという楽器は初めてギターを弾きはじめた時の印象が実はとても大切なんです。
ギターを始めた。弾いてみた。その「最初の時期にどう感じるか?」その時の感覚や感触次第でその後の上達スピードや表現に差が出てくるのがギターという楽器なんですよね実は。
だからこれからギターを始めるって人には、なるべく楽しく弾いてもらいたいですし、楽しく弾いてたら上手くなるのも早いですから、むしろ一石二鳥な感じですよね♪
初心者入門セットを買って、ほとんど弾かないで挫折してしまった!というエピソードは星の数ほどききます。
なぜかって「おもちゃみたいな音」で「表現の幅も狭い」上に「高級なギターより弾きづらい」ですから、当然といえば当然。もしも「良い音がしていた」なら、その人たちは続けていたかも知れない。そう思うケースを僕はたくさん知っています。
そして、
メルカリやハードオフ、セカストには、彼らが手放したほとんど弾いてない良品のギターがたくさん出回っている…複雑ですけど、そういうことなんですよね。
どうか、これからギターを始めたい!って人にはギターを演奏する面白さを感じてギターを存分に楽しんでほしい。僕はそう心から願っています。今回ご紹介した方法でとても気持ちいい音が出ると思いますし、弾きにくいからのスタートはメリットたくさんですし、安価ですし、まずは初心者入門モデルから始めてみてはいかがでしょうか?
最後にこれだけ伝えておきます。
ある程度初心者入門モデルで楽しく弾けるようになった。慣れてきた。そのタイミングでGT-1と良質なシールドの組み合わせで
ちょっと高級なモデルを試しに手に取って弾いてみてください!めっちゃ弾きやすくていい音がしますよ♪
というわけで、初心者入門モデルで最初から楽しく弾くためのヒント(Tips)をお送りしました。これからギターを始めたい方のご参考になれば幸いです^^
この記事を書いた人
ギタてぷ管理人:ギタてぷサイトの運営管理をしている人。プロのギタリストとして活動後16年間守秘義務を真面目に守ってギターを辞めていた。2022年夏頃にギターを再開。プロのいじ。詳細は以下のリンクよりどうぞ。 →管理人のプロフィールページ |