BOSS GT-1の基本講座①はじめに

ここではBOSSマルチエフェクターGT-1基本的な使い方を説明していきます。パソコンのGT-1専用アプリケーション「BOSS TONE STUDIO for GT-1」の画面で説明しますが、パソコンが手元にない方であってもGT-1本体から同様に設定が可能です。

GT-1のプリセットで遊ぶのも楽しいですが、理想の音を作るためには、まっさらな音から音作りできるスキルが必要になってきますので、今回はまっさらな音から作り始めて、かっこいいディストーションサウンドを作るまでの基本を解説していきます。

今回はまっさらな音から「ドンシャリ」サウンドを作ります

まずは「どんな音を作るか?」を決めます。今回の記事では例として、中音域を押さえ低音域高音域を少しブーストさせた、ドンシャリとした音ディストーションサウンドを作ります。

今回、なぜドンシャリサウンドなのかには理由があります。ドンシャリするギターの音っていうのは一般的にハードロックやメタルに使われがちな音をいいますが、実は歌モノなどのバックでよく使われるギターの音なんです。

今回はハードロックやメタルの設定で基本の音を作りますが、そこから歪みを抑えて、EQを少し微調整するだけで、どんなジャンルにも使える基本のバックギターサウンドになります。ボーカルの歌声やギター以外のメロディを奏でる楽器重なりがちな音域をカットした音。それがドンシャリサウンドの基本なんですよね。

というわけで、さっそく音を作っていきましょう。まずは基本の設定からです。

①出力デバイスを設定する

画面の右側の「OUT」ボタンを押して自分に合ったOUTPUTを選択します。

GT-1本体の場合「MENU」ボタン→1番ノブでOUTPUTを選択→ENTER→「希望するOUTPUTを選択」→「EXIT」でOKです。

スピーカーやヘッドフォンなどの場合はLINE/PHONES。ライブなどでギターアンプを使う時などにはそれに合ったOUTPUTを選択します。LINE/PHONES以外のアンプのINPUTから音を出したい場合はギターアンプ側のGAINを1BASSMIDDLETREBLEを12時の方角(0~10なら5)に設定しておいてください。

②音色をつくるためにパッチをリセットします

パソコンからBOSS TONE STUDIO for GT-1を開きます。編集するパッチを選択します。

次に右上にあるCLEARボタンを押してください。

GT-1本体の場合「EXIT」と「ENTER」を同時押しして1番ノブで「INITALIZE」を選択して「ENTER」を押す

テンポラリーの初期化でOKボタンを押します。

パッチをクリアすると↑のようなパラメータになると思います。(本体設定でも同様の状態になります)

③エフェクトの接続順を変える

次にエフェクトチェイン(エフェクターの接続順)の変更です。FX1FX2PrANSの間にマウスでドラッグ&ドロップして移動させます。

GT-1本来の場合は「MEMORYEDIT」ボタンを押して1番ノブで移動したいエフェクトを選び2番ノブで選んだエフェクトを動かします。

今回使うエフェクトの種類手順をご紹介します。

  1. プリアンプ(PrA)を選んで設定する
  2. 歪み系エフェクター(OD)を選んで設定する
  3. FX1GraphicEQ(GEQ)を設定しイコライジングする
  4. FX2ParametricEQ(PEQ)を設定しイコライジングする

接続順はODPrAFX1(PEQ)FX2(GEQ)の順番です。他は今回は弄りません。まずは音色を作るための基本を学んでいきましょう。

④GT-1のプリアンプ(PrA)の設定

まず最初にPrA(プリアンプ)を設定します。

GT-1本体ではPREAMPボタンを長押しして各ノブでパラメータ調整「ENTER」で項目切り替え。「EXIT」で編集終了です。

NATURAL CLEANHiGAIN STACKに変更します。

GAINを50→30に、LEVELを50→40に変更してください。

次にODをセレクトします。

⑤GT-1の歪みエフェクト(OD)の設定

GT-1本体だと「OD」を長押し→各ノブでパラメータを調整。「ENTER」で項目を切り替えて、調整後は「EXIT」です。

今回はシンプルにOD-1METAL ZONEに変更します。

変更したらOD丸ボタンを押して赤く点灯させたらOKです。

次にFX1の設定にいきます。

⑥GT-1のFX-1の設定(GEQ)

GT-1本体の設定はこれまでと同じです。項目を選んで値を変更していきます。まずはエフェクトを変更します。

FX-1COMPRESSORGEQに変更します。ここからパッチの音色の帯域を弄っていきます。今回はドンシャリなので以下のように設定してください。

【GEQの値】

  • 200Hz = -3
  • 400Hz = -6
  • 800Hz = -8
  • 1.6kHz = -3
  • 6.4kHz = 4
  • LEVEL = 3

設定したらFX-1丸ボタンを押して赤く点灯でOKです。次はFX-2です。

⑦GT-1のFX-2の設定(PEQ)

FX-2CHORUSPEQに変更します。

LOW-MID GAINから-5

HIGH-MID GAINから

LEVELから

LOW-MID FREQ500Hzから400Hz

HIGH-MID FREQ4.00kHzから6.30kHz

HIGH-MID Qからに、それぞれ変更してください。

変更し終わったら、FX-2丸いボタンを押して点灯させましょう。

⑧GT-1のNS(Noise Suppressor)の設定

NS(Noise Suppressor)を選択して画面を開きます。

THRESH30からOFFに、RELEASE30からにしてください。

⑨名前をつけてパッチを保存する

GT-1本体の場合は「EXIT」と「ENTER」を同時押し→1番ノブでWRITEを選択→保存先を選択→パッチ名を入力→各操作後にENTERです。

最後に右上のWRITEボタンを押して、任意の好きな名前にしてOKボタンを押せばパッチの完成です。

→こちらのページより今回のファイルをダウンロードすることができます。

何をしたのか?GT-1の各機能の意味の解説

ただ設定を伝えただけでは、何を変えて、どういう意味があったのか?理解できないとおもいます。今回の設定にはそれぞれ目的、意味、そして理由があります

それぞれのエフェクトの目的と意味を理解することで、なんでそのエフェクトを使ったのか?どうしてそのエフェクトにしたのか?それらの理由がわかって、自分自身で好きな音色を作る時のチカラになると思いますので、以下にそれぞれの理由を解説していきます。

FX-1(GEQ)とFX-2(PEQ)の役割と目的

今回の設定で、まずはギターで音を鳴らしてみてください

次にFX-1(GEQ)とFX-2(PEQ)をオフにしてから、ギターで音を鳴らしてみましょう。

かなり音色が違いますよね?FX-1とFX-2をオフにすると、ある意味平均的なギターの音というか、作った音より丸くてモコモコしていると思います。

FX-1FX-2をオンにしたらドンシャリディストーションサウンドになりますが、オンにしないと、そのまんまのプリアンプ(今回はHiGAIN TACK)とODMETAL ZONE)の音が出力されます。

プリアンプ側BASSMIDDLETREBLEは弄ってないので、普通のアンプでいうと0~10まであったら5の値のままです。

つまり、ギターの音色毛色を決めるのはFX-1FX-2で割り当てたイコライザー(EQ)というエフェクトによって決めることができる。ということが分かります。

今回はドンシャリとしたサウンドを例に挙げましたが、たとえばギターソロ向き中音域をブーストさせた音だったり、煌びやかで美しいクリーントーンの音を作ったりする時にも、イコライザー(EQ)はとっても大切なんですね。

特に今回設定したドンシャリサウンド向けEQ設定は、いろんなアンサンブルに流用が効く便利な設定です。ボーカルピアノなどソロパートの帯域と重ならないように周波数帯域をイコライザーで抑えています超重要!)

そしてバンドサウンドベースバスドラムなどと干渉しないように低音域の周波数はブーストしていない(ドンシャリのドンを上げてない)ドラムのシンバルハイハットなどの金物と若干ぶつかりやすい音域を上げていますが、高音域は微調整すればいいだけにしています。

つまり、バンドで合わせる時にボーカルを邪魔しないギターを弾いたり、レコーディングのMIXの段階で音色を弄られることなく使われやすいようになったりしていますので、基本として覚えて、自分なりに微調整して使って頂きたらいいなと思います。

まずは、イコライザー(EQ)で音の毛色を決める。と、覚えてください。

PrA(プリアンプ)の役割と目的

プリアンプPREAMP)の役割は「このアンプを使うぞ!」ということです。GT-1には様々なプリアンプが入っています。今回はGT-1独自のアンプHiGAIN STACK」を使っていますが、他のアンプを好きなように選ぶことができるのがGT-1の良さ。他にもマルチエフェクターはありますけれど、2万円台のマルチでここまで優秀なプリアンプのマルチエフェクターは他にないと思います。

選べるプリアンプは以下の種類があります。・の項目がGT-1マニュアルより抜粋()が僕の見解と解説です。

  • NATURAL CLEAN – アンプ固有のトレブリー感やブーミーな低音のクセを抑えた素直なクリーン・サウンドです。(僕はクリーンサウンドだとほぼこれを使います
  • FULL RANGE – 周波数レンジの広い、非常にフラットな特性のアンプです。アコースティック・ギターに最適です。(アコギの時しか使わないかな笑
  • COMBO CRUNCH – 従来のコンボ・アンプの表現力を超えた、ピッキングのニュアンスを忠実に再現できるクランチ・サウンドです。(クリーンより少しだけ歪ませたクランチサウンドの時に使うことが多いです
  • STACK CRUNCH – 4×12″スピーカー特有のキャビネット感を活かしつつ、ピッキングの強弱に応じて反応する心地よいクランチ・サウンドです。(CRUNCHにしては歪んでるからあまり使わないかなぁ。オーバードライブ的な使い方ならありです。
  • HiGAIN STACK – ビンテージMarshallにCOSMならではのモデリング技術によって特別な改造を施した、ハイ・ゲイン・サウンドです。(僕が一番使う基本の歪み系アンプ。オーバードライブ~ディストーション、ファズまで、基本はこれを使います
  • POWER DRIVE – 既存のコンボ・アンプやスタック・アンプでは得られなかった、バッキングからリードまで、幅広いシチュエーションに対応できるストレートなドライブ・サウンドです。(今回の設定のHiGAIN STACK→POWER DRIVEに変えるとメタル寄りからオールジャンルのロック系ギターサウンドに変わって面白いです
  • EXTREM LEAD – 既存の大型スタック・アンプにありがちな周波数特性の偏りを抑えた、新感覚のサウンドです。(POWER DRIVEよりもやや歪みが強くてハードロック系の楽曲に合う感じです
  • CORE METAL – 究極のメタル・サウンドを追求してチューン・ナップされた大型スタック・サウンドです。(メタルだねーって音。HiGAIN STACKよりもさらに歪みが強くて、若干低音域も強め。ギターごりごりサウンドの最近のメタル系には合うと思います。80年代~90年代のメタルの音とは違うかな
  • JC-120 – ローランドのJC-120のサウンドをモデリングしています。(ローランドのグループ会社がBOSSなので、ローランドのJC-120アンプの再現度は高い。でも使うことはあんまりない笑
  • CLEAN TWIN – FenderのTwin Reverbをモデリングしています。(ベンチャーズ=The Venturesのサウンド作る時NATURAL CLEANよりこっち使うと、なるほど!ってなること多いです。割とよく使います
  • PRO CRUNCH – FenderのPro Reverbをモデリングしています。(上述のCOMBO CRUNCHでクランチの音色を作ってから、好みでこれとDELUXE CRUNCHに変えてみたりすることが多いです。割と好きなクランチサウンド
  • TWEED – FenderのBassman 4×10”Comboをモデリングしています。(ギター界のレジェンドギタリストであるブライアンセッツァーやジェフベックのサウンドを得たい人向けですね。僕はまだそんなに使いこなせてないかな^^;
  • DELUXE CRUNCH – FenderのDeluxe Reverbをモデリングしています。(COMBO CRUNCHとPRO CRUNCHと並んで使うことが多いクランチ用の丁度いいアンプ。よく使います
  • VO DRIVE – VOX AC-30TBのドライブ・サウンドをモデリングしています。60年代ブリティッシュ・ロックに適したサウンドです。(けっこうクセの強いVOXアンプのサウンドが再現されていて、印象的なギターリフにしたい時とか、楽曲次第で使うことが多いです
  • VO LEAD – VOX AC-30TBのリード・サウンドをモデリングしています。(VO DRIVEと同じVOXアンプでリードギター用のモデリングですが、僕はVO DRIVEで基本音を作ってソロもそっちで作ることが多いですね
  • MATCH DRIVE – MAtchless D/C-30の左インプットに入力したサウンドをモデリングしています。ブルースロックからフュージョンまで幅広く使われている真空管アンプのサウンドが得られます。(クリーンよりのオーバードライブっぽい音にしたいときに使うことが多いです。クランチ同様にピッキングのニュアンスが出やすいのでミスが分かりやすい反面、アタックの強弱をつけて強いところは強く、優しく弾くところは優しく弾けるほどよいオーバードライブ感の得られるアンプですね)
  • BG LEAD – MESA/Boogieコンボアンプのリード・サウンドをモデリングしています。70年代後半~80年代を代表する真空管アンプのサウンドです。(MESA/Boogieといえばガッツリ歪んだイメージの音なんですが、こちらとBG DRIVEは改造してないそのまんまのメサブギーっぽい音です)
  • BG DRIVE – MESA/BoogieのTreble SHIFT Swをオンにしたときのサウンドをモデリングしています。(上のBG LEADと同じです。素直でおとなしくまとまったメサ・ブギーの音です)
  • MS 1959 Ⅰ – Marshall 1959のインプットⅡに入力したサウンドをモデリングしています。ハード・ロックに適したトレブリーなサウンドです。(HiGAIN STACKよりもMarshallアンプらしい音がする、ザ・マーシャルって感じのプリアンプ。Marshall好きな人はこれでオーバードライブからディストーションまで作っちゃいそうな音です
  • MS 1959 Ⅱ – Marshall 1959のインプットⅠとⅡをパラレル接続したサウンドをモデリングしています。Ⅰよりも低音が強調されたサウンドです。(MS 1959 Ⅰで音を作ってみて低音域を少し目立たせたい時に使うといいと思います。僕はイコライザー(EQ)でギターの出音の帯域のバランスを取るので、あまり使わないかな。MS 1959 ⅠはMarshall大好きなアーティストさんのギター音を再現したい時によく使いますけどね
  • R-FIRE VINTEGE – MESA/Boogie DUAL Rectifierのチャンネル2VINTEGEモードをモデリングしています。(僕がMESA/Boogie系のギター音が欲しい時によく使うプリアンプ。低音ミュート系の高速刻みフレーズの音が個人的にはとても好きです
  • R-FIRE MODERN – MESA/Boogie DUAL Rectifierのチャンネル2MODERNモードをモデリングしています。(若干こっちのほうが全体域のレンジが大きいです。R-FIRE VINTEGEの良さが消えちゃってる感じがして、僕はあまり使いません
  • T-AMP LEAD – Hughes&Kettner TriampのAMP3をモデリングしています。(ヒュース・アンド・ケトナーのモデリングプリアンプ。Marshall同様、Hughes&Kettner使ってるギタリストさんの音を再現したい時に使います
  • SLDN – Soldano SLO-100をモデリングしています。80年代の代表的なサウンドです。(僕の師匠的な存在のギタリストさんがソルダーノのこのアンプの改造したものを持ってました。1980年代にスタジオミュージシャンでギタリストとして活動してた人はみんな持ってたんじゃないかな…たとえばSteve Lukatherの演奏する当時のギター演奏はだいたいみんなこんな音してる。マイケル・ジャクソンのBeat itのバッキングとかそのまんまこの音です笑)
  • 5150 DRIVE – Peavey EVH5150のリード・チャンネルをモデリングしています。(エドワード・ヴァン・ヘイレンのために作られたEVH5150の音ですね。ご本人様はおそらくギターなりアンプなり、足元なり、いろんなところに改造をされていると思います。エディの音を完全再現は無理だけど近づけることができるのが、このアンプ
  • BGNR UB – Bogner Uberschallのハイ・ゲイン・チャンネルをモデリングしたヘビー・ディストーション・サウンドです。(ドイツ製のほぼメタル特化のアンプ。メタルと相性がいいように元々のプリアンプ自体の低音域と高音域がブーストされてて、ゲインも高め。ザクザクというよりジャキジャキみたいな刻みになるけど、好きな人は好きな音だと思うメタルサウンドなプリアンプ
  • ORNG ROCK – ORANGE ROCKERVERBのダーティー・チャンネルをモデリングしています。(GT-1に入っている他のプリアンプに比べてORANGR ROKERVERBは美味しい中高音域の抜けを持ちつつ、柔らかいけど芯のある歪み系のサウンドが得られるプリアンプという印象かな。上手く設定してあげるとJ-POP~ロックのバンドサウンドと相性抜群です

コンパクトエフェクターはお金さえあれば、たくさん手に入れられますが、ギターのプリアンプは大きいですし、たくさん買うことは不可能ですよね。その点、GT-1を買うだけで、これだけのプリアンプを使えるというのは素晴らしいメリットだと思います。

GT-1で試してみて、気に入ったプリアンプが見つかってから、ギターアンプを買いにいくくらいの流れでいいと思いますし、昔のマルチエフェクターより今のマルチエフェクターはアンプの再現度=モデリング技術が非常に高いので、いろんなプリアンプを使いたかったらマルチエフェクター一択ですね。

今日はこのアンプを使うぞ!」「このアンプで音を作ろう!」みたいに、気楽に選んで遊びながら自分だけのギターの音色作っていけたらいいと思います。

ほしい音が出るアンプを選んで使う。これがPrA(プリアンプ)の役割であり目的です。

OD/DS(歪み系エフェクト)の役割と目的

GT-1OD/DS(歪み系)のエフェクトは必ず使う必要はありませんプリアンプ(PrA)で十分な歪みが得られたなら必要ないです。今回はドンシャリサウンドということで、BOSSMETAL ZONEを噛ませてみた感じです。

OD/DSの役割は2つあります。今回のようにPrA(プリアンプ)にさらに特徴的な歪みを足したい場合に使う目的と、PrA(プリアンプ)で基本の歪みのギターサウンドを作ったものに、ギターソロ用にブースター(歪み具合や音量を上げる目的で使われる歪み系エフェクターをブースターといいます)としてOD/DSを使う目的があります。

GT-1には、ブースター用として入っているOD/DSがあるほか、一般的な歪み系コンパクトエフェクターの中でもブースターとして使えるコンパクトエフェクターが一通り揃っています。

それではBOSS GT-1に入っているOD/DS(歪み系エフェクター)の一覧をみてみましょう。エフェクトタイトルの後にのついているエフェクトはブースター用として使えるエフェクターです。のついていないエフェクトは、PrA(プリアンプ)と組み合わせて歪みとして使うことを僕は推奨します。

  • MID BOOST – 中域に特長のあるブースターです。プリアンプの手前に接続するとソロ向きの音になります。
  • CLEAN BOOST – ブースターとしてもちろん、単体で使用してもパンチのあるクリーン・トーンが得られます。
  • TREBLE BOOST – ブライトな特性のブースターです。
  • CRUNCH – アンプの歪みの要素を加えた、ツヤのあるクランチ・サウンドです。
  • NATURAL OD – 自然な感じの歪みが得られるオーバー・ドライブ・サウンドです。
  • WARM OD – 暖かみのあるオーバードライブです。
  • FAT DS – 太い歪みが得られるディストーション・サウンドです。
  • LEAD DS – オーバードライブの滑らかさとディストーションの深い歪みを両立させたサウンドです。
  • METAL DS – ヘビーなリフを演奏するのに最適なディストーション・サウンドです。
  • OCT FAZZ – 倍音成分が豊かなファズ・サウンドです。
  • A-DIST – MDP(Multi-Diimensional Processing)技術により、低域から高域まで、ギターのどの音域でも理想的な歪みが得られます。
  • BLUES OD – ボスBD-2風のクランチ・サウンドです。ピッキング・ニュアンスを忠実に再現する歪みを作り出します。
  • OD-1 – ボスOD-1のサウンドをモデリングしています。甘くマイルドな歪みが得られます。
  • T-SCREAM – IbanezのTS-808のサウンドをモデリングしています。
  • TURBO OD – ボスOD-2風の、ハイ・ゲインなオーバードライブ・サウンドです。
  • DISTORTION – オーソドックスなディストーションサウンドです。
  • RAT – Proco RATのサウンドをモデリングしています。
  • GUV DS – MarshallのGUV’NORのサウンドをモデリングしています。
  • DST+ – MXRのDISTORTION+のサウンドをモデリングしています。
  • METAL ZONE – ボスMT-2のサウンドをモデリングしています。オールド・スタイルからスラッシュ・メタルまで幅広いメタル・サウンドが得られます。
  • 60S FAZZ – FUZZFACEのサウンドをモデリングしています。ファットなファズ・サウンドが得られます。
  • MUFF FUZZ – Electro-HarmonixのBig Muffのサウンドをモデリングしています。

BOSS GT-1に入ってるエフェクターは歪み系コンパクトエフェクターを数多く販売しているBOSS本家なだけあって、BOSSのコンパクトエフェクターのモデリングが多く、それらの再現性は他社のマルチエフェクターより群を抜いて良いです。このOD/DS機能が欲しい目的だけでGT-1を買う人もいるくらいです笑

GTシリーズのオリジナルの歪み系エフェクトも特筆すべきです。MID BOOSTPrA(プリアンプ)の音を綺麗にソロ用にブーストしてくれる便利なOD/DSエフェクトですし、A-DISTは上位モデルのGT-1000にも採用されているMDP(Multi-Diimensional Processing)技術が用いられています。

個人的によく使うブースターは「MID BOOST」「NATURAL OD」「BLUES OD」「OD-1」「T-SCREAM」などが多いです。「A-DIST」はPrAと組み合わせて使うことが多いですね。

ひとつだけ、注意点があります。これはGT-1に限らず、上位機種のGT-1000GT-1000Coreにも共通する点なんですが「60S FAZZ」のGAINを上げすぎると独特のコンプレッサーがかかってしまい、音がブツブツと途切れることがあります。対策としてはOD/DSで設定するGAINの値を下げること。そして必要な分のGAINはPrA(プリアンプ)側で上げることです。もちろん、少しクセのある途切れを好みの場合はがっつり上げて弾いても大丈夫です笑

上記をよく読んで理解しておいてくださいね。OD/DSの2つの役割と目的を理解して、自分の理想の音を近づけるために活用していきましょう。

NS(Noise Suppressor)の役割と目的

NS(Noise Suppressor)は、ギターの音色を歪ませすぎた場合(PrAやOD/DSのGAINを上げすぎる)などに、無駄なノイズが出ます。それを機械的に消す機能を持っています。

GT-1の音色を初期化した時の数値はTHRESHが30、RELEASEが30かかっています。これを僕は基本的にTHRESHをOFFに、RELEASEを0にします。それには理由があります。

ギターという楽器は、ピックなどで弦を振動させはじめてから、ゆっくりと弦振動が収まっていく楽器です。NS(Noise Suppressor)をかけることでノイズは減りますが、この穏やかな音の減衰が不自然になってしまうのです。

当たり前なんですが、不自然な音の減衰をするような音色を使うプロギタリストは僕の知る限りいませんNS(Noise Suppressor)基本使いません。その理由はプロの音色の作り方の特徴にあります。

プロのギタリストはアマチュアのギタリストよりもGAINを控えめに音色を作ります。そうすることでピッキングの細かなニュアンスや強弱、優しいところを優しく弾く。ということが可能になるんですね。

つまりプロギタリストギターの音色を作る時にGAINをあまり上げないから基本的にNS(Noise Suppressor)を使わないんです。

テクニカルなタッピングのフレーズをする時にCOMPRESSORNS(Noise Suppressor)をかけることはあると思うんですけど、普通の演奏ではまずNS(Noise Suppressor)は使いません。

基本的に、不自然にギターの音に影響を与えるNS(Noise Suppressor)は基本、使わない方が良いということです。ほどよく歪む程度の音色を使うのであれば、練習の時に左手と右手でミュートできていると、NSは基本要らないと思います

NS(Noise Suppressor)を使わない理由になってしまいましたけど、役割と目的を説明しようとすればするほど、ギターの上手い人ほど使わない。ギターを上手くなるためにはNSをOFFにする。使わない、ということになります。

コンプレッサー(COMPRESSOR)について

NSの説明でコンプレッサーの話が出たので、コンプレッサーについて簡単に説明します。

コンプレッサーをかければかけるほどに音量が均一化していき、音粒を揃ってきますが、エフェクトを強くかけすぎるとピッキングの強弱がなくなりますコンプレッサー独特のノイズも強く出てしまいます。

COMPRESSORを程よく適度にかけるメリットは大きく分けて2つあります。

ひとつはピッキングのアタックニュアンスが「ペシャン!ピシャン!」というような水滴感のある気持ちいい感じの音になる点です。

もう一つは歪み系エフェクトをかけた時に低音弦(6弦や5弦や4弦)を右手でミュートピッキングした時の音がほどよく潰れてズクズクからジュクジュクとした心地よい刻み音になる効果が得られる点です。

反面、使い方を間違えるとデメリットもあります。

コンプレッサーの効果を強くかけすぎた場合、小さな音を増幅させる効果によって、ギターの弦の生音でほとんど鳴らないような“撫でるピッキング”でも音が簡単に出てしまいます

このように音量が平坦化してピッキングの強弱がなくなってしまうことから「初心者は下手になるからコンプレッサーを使うな」と言われてきたギター業界の闇の歴史があります苦笑

コンプを強くかけすぎなければ良いだけです。COMPRESSORのメリットをうまく活用して基本少なめに薄くコンプをかけてあげる分には問題ないですし、演奏表現の幅が広がります。ある程度音色を作ってから、例えばコンプをかけない状態と、コンプを薄くかけた状態の音色の変化を試してみるコンプレッサーの効果がどんな効果か理解しやすいと思います。

まとめ&空間系エフェクトについて

  • PrA(プリアンプ)を選ぶ
  • EQで音の毛色を決めていく
  • OD/DSはギターソロ用のブースターにしたり、PrAと合わせて使う
  • 可能な限りNS(Noise Suppressor)を使わない

ということを、今回学ぶことができましたね。

さて、GT-1には、他にも大事なエフェクトである「空間系エフェクト」がありますし、少し変わった「特殊なエフェクト」もあります。空間系のエフェクトは「DELAY」「REVERB」「CHORUS」です。特殊なエフェクトはペダルワウだったり、フェイザーフランジャーピッチシフターなどです。

DELAY」「REVERB」はギターソロなどで使いますし、とても便利な空間系エフェクトなのですが、この記事の内容がちゃんとできていることが前提で、「DELAY」「REVERB」を使うことをオススメします

なぜなら空間系エフェクトをかける前の元のギターの音色がかっこよくできないなら、空間系をかけてもカッコよくならないし、変にごまかした感じに音がよく聴こえてしまうから、なんですよね。

REVERBをかけるだけで、めっちゃ上手くなった気がするんですよ笑

それだけの威力があるものなんですけど、同時に「演奏が上手い」と勘違いしたり「良い音色」だと勘違いしたりするのも、空間系の罠なんですよね。

モチベーションを上げたい!って方は、無理せず空間系エフェクトをかけてくださいね!楽しくが一番です。

というわけで、今回は空間系エフェクトをかける手前までのGT-1の使い方を紹介しました。空間系の記事は次回以降に書いていきます!

このページを参考にしながら、楽しく自分なりにGT-1を遊んで音色を作っていってみてくださいね!

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この記事を書いた人

ギタてぷ管理人:ギタてぷサイトの運営管理をしている人。プロのギタリストとして活動後16年間守秘義務を真面目に守ってギターを辞めていた。2022年夏頃にギターを再開。プロのいじ。詳細は以下のリンクよりどうぞ。
→管理人のプロフィールページ
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