この記事では「ギターの各弦の関係」「ギターの音階の仕組み」「具体的かつ実用的な練習フレーズ」を提供します。これらの内容を理解することにより、あなたが一切の回り道をすることなく、ギターを自由に演奏するための知識、すぐに使える実践的な基本技術や応用技術を学ぶことができます。
ギターを思い通りに自由に演奏するためには、ギターについて知らなければいけません。多くのギタリストがなぜ不自由さを感じたまま、TAB譜に縛られてギターを練習しているのか?という問いの答え、なんで上手くならないのかという理由は、
ギターについてしっかりした知識を得ていないからなんです。中途半端にしか理解せずに中途半端な練習をしていてはギターは一生、上達することはないんです。
今回の内容は「これからギターを始める人」「ギターを漫然と弾いて15年以上経つけど、ちっとも上達しない人」「耳コピとか無理だし音楽的にギターを理解できないからTAB譜だけで弾いているという人」にとって大きな気づきやヒントになるTipsをお送りします。
難しい内容ではないです。小学校1~2年生の算数くらいの数字力と、「ギターについて知りたい!」「ギター上手くなりたいから理解しよう!」という姿勢があればだれでも理解できる簡単な内容です。
それではひとつめのテーマからいってみましょう。
①ギターの各弦の関係を理解する
エレキギターは基本的に1弦(1番細い弦)から6弦(1番太い弦)まであります。開放弦(TAB譜の0のところ)は6弦が一番低い音でE(ミ)です。5弦がA(ラ)、4弦がD(レ)、3弦がG(ソ)、2弦がB(シ)そして1弦がE(ミ)です。6弦の開放弦と1弦の開放弦は同じE(ミ)ですが音程が2オクターブ離れています。
- 6弦はE(ミ)
- 5弦はA(ラ)
- 4弦はD(レ)
- 3弦はG(ソ)
- 2弦はB(シ)
- 1弦はE(ミ)
アルファベットで表記しているのには理由があります。ギターのコードってCコードとかいいますよね。アルファベットでドレミファソラシドを覚えておくのを、一番最初からしておくと、めっちゃ後で便利なんですよ。
ドレミファソラシド=CDEFGABCです。ちなみに昔の日本の表記だとハニホヘトイロハですね笑
さて、あらためて図をみてください。それぞれ、同じ音があります。6弦の5フレットは5弦の開放弦(0)と同じ音程なんです。同じように5弦の5フレット→4弦の開放弦(0)4弦の5フレット→3弦の開放弦は同じ。※ひとつ違うのが3弦の4フレットと2弦の開放弦(0)、最後の2弦の5フレットと1弦の開放弦(0)は同じ音程です(以下画像)
なんで3弦だけ4フレットとかめんどくさいことすんねん!って話なんですが、そういう仕様なので覚えましょう笑
さて、ここからが大切なことなんですが、同じ音程ということは弦とフレットを移動して同じ動きで弾いたら同じフレーズが弾けるということです。これをまずは理解してください(以下図)
上の6弦のフレーズと5弦のフレーズは同じ音程で同じ動きをしているので、同じメロディに聴こえます。弦の太さなどで若干響きは変わりますが、五線譜の音符として全く同じなんですよね。これがギターの面白い特徴のひとつです。
たとえば参考にしてるTAB譜とかで、めっちゃ難しいフレーズ書いてあったとしたら、たぶんアーティストさんはそんな弾き方してないんです笑 TAB譜は補助のもので絶対的に信用できるものではないですし、採譜ミスは今も数多くあります(※重要!テストに出ます笑)
あくまでTAB譜ってのは参考するけど、信用しない方がいい。ギターっていうのは自分なりに弾きやすいポジションや弾く弦の場所などを自分で選択することができる楽器ということなんです。
②ギターの音程とフレットの関係を理解する
次にギターの弦を変えずにドレミファソラシドを弾いた場合に、どうフレットを移動させるかをみてみましょう。5弦の3フレットからドレミファソラシドを弾いてみると以下の図のようになります。
音程が1音離れているものを全音といい、ギターでいうと2フレット分離れた(押弦してる場所からずらした)音程です。1フレットずらした音は半音といいます。
図をみると分かるようにミからファの時とシからドの時だけ、半音で移動しています。ピアノだと鍵盤の白いところだけを弾くとドレミファソラシドになりますがピアノには黒い鍵盤が隠れていますよね。
ギターだと上の画像のようにピアノで黒い鍵盤のド#を飛ばすようにして5弦のド(3フレット)とレ(5フレット)の間の4フレット(ド#)を飛ばす。というような仕組みで弾いていくとドレミファソラシドがギターで弾けることが分かります。
ここでギターらしい用語が出てきます。ドレミファソラシドはKey=Cメジャーの時のメロディで使える基本のスケール(音階)なんです。Cメジャーのほとんどの曲はドレミファソラシドで弾けちゃう。
「かえるのうた」とか「きらきらぼし」とか「こぎつねこんこん」とかCメジャーの曲なのでメロディはドレミファソラシドで弾けます。このCメジャーの時のドレミファソラシドで構成されているスケールをCメジャースケールといいます。
Cメジャースケールの構成音はドレミファソラシド順にギターだとC(Ⅰ)→D(Ⅱ)→E(Ⅲ)→F(Ⅳ)→G(Ⅴ)→A(Ⅵ)→B(Ⅶ)→C(Ⅰ)です。Cメジャースケールの基準になる音(基音)のことをスケールのルート音(Ⅰの音)と言います。ちなみにルート音という言葉はコードの話で出てくる場合はコードの基音のことです。それはコードについての記事を参照してください。
最初の頃は番号で理解しなくていいですが、ローマ字のCDEFGABCは覚えておくと、Key=Cメジャーの楽曲で使うコードを弾けるようになる近道です。特にパワーコードなら場所とローマ字を覚えておけば、明日には曲のバッキングを弾けるようになるんです。
さて、次にひとつの弦だけではないCメジャースケール(ドレミファソラシド)のポジションをみてみましょう。
③ドレミファソラシドのいろんな弾き方(実用的な例)
まずは、みなさん最初に習いがちなドレミファソラシドから(以下画像)
なんでわざわざこんな難しいというか、使えないドレミファソラシドが広まったのか理解できません笑
スケールをしっかり勉強していくと「なるほど!あの時のドレミはこれだったのね!」ってなるけれど、普段めったに使いませんwww
そこでいくつかパターンを変えたギターを弾く時に実用的なドレミファソラシドを紹介します。当たり前ですが、すべてCメジャースケールです。
これの方が練習していけばいくほどに弾きやすくなりますし、このあとの例の形もそうなんですけど、Key=CからKey=Dにしたかったら、ブリッジ側(音程の高い方)に2フレット分スケールをそのままずらすだけでDメジャースケールが弾けちゃうんですよね。
大事なことなので、もう一度いいます。
画像のようにフレットをずらすだけで違うスケールが弾けちゃうんです。あとで話しますけど、そもそもメジャースケールを弾けると、メジャースケールだけでなくマイナースケールも弾けるようになるんで、とりあえず練習して、これらの形を弾いて覚えてみてください。次の例です。
このパターンもかなり使います。ギターソロのコピーに使えるのはもちろん、ギターソロを作ったり、アドリブを弾いたりするときに頻発するスケールポジションです。次はオクターブ上いってみましょうか(以下画像)
この形も、すごくよく使います。②と③はよく組み合わせてギターソロで使うスケールのポジション。ペンタトニックスケールというギターソロで使いやすいスケールとの相性も良いし、ギターソロだとだいたい出てくるポジションです。
これもギターソロ用のポジションですね♪アドリブでも使いやすい運指パターンです。③と④あたりのポジションをいつでも弾けたら、ほとんどCメジャースケールのギターソロを弾けちゃう、と言っても過言ではないくらいよく使います。
同じドレミファソラシドの練習でも、実用的なスケールポジションで練習した方が、ギターが簡単に感じるし、練習も楽しいと思います。ぜひ日々の練習に取り入れてみてください♪
ちなみにスケール練習に限りませんが、必ずメトロノームを使って、弾けるBPMから少しずつテンポを上げて練習してくださいね!
まとめ
まずは今回の3つのこと+1つ
- ギターの各弦の関係を理解する
- ギターの音程とフレットの関係を理解する
- ドレミファソラシドのいろんな弾き方を理解する
- 必ずメトロノームを使って練習する
これらを理解する。練習に取り入れてみる。そうすることによってギターの上達スピードは劇的に上がります。
ギターの音とフレットの場所は声に出すと覚えやすいです。心の声でいいんでドレミファソラシドを「CDEFGABC~」って声を出しながら弾いてみたり、「いちにーさんしーごーろくなないちー!」って覚えたりすると記憶に残りやすいです。覚えるとギターを弾くほどに必ず役に立ちます。
特に「CDEFGABC」はギタリストなら、とても大切なんです。ほとんどの場合ギター弾き同士の会話で「ここコードなんだっけ?」「ここのコードはGだよ」とは言いますが「ここのコードはソだよ」って言うと理解されないし、笑われますからね…
恥をかかないように気をつけましょうね^^;
最後に大事なことを伝えておきます。実は、Cメジャースケールを弾けるようになると、もうひとつのスケールが弾けるようになります。それはAマイナースケールです。Cメジャースケール=Aマイナースケールは構造が同じなんですね。
違うのは基音だけです。Amスケールは基音(スケールのルート音)がド(C)ではなくラ(A)です。ABCDEFGA=ラシドレミファソラで構成されるスケールの音は同じです。
Key=CとKey=Am(Aマイナー)は使われている楽曲がたくさんありますので、是非この機会にしっかり覚えておいてください。
ちなみに今回の記事②の画像にある番号(Ⅰ~Ⅶ)を覚えておくことは将来的にすごく意味が出てきます。番号(Ⅰ~Ⅶ)は中上級者~プロになってからよく使う必須な表現です。スタジオやレコーディングなどの多くの場面で「ここⅡ→Ⅴでやった方がいいんじゃない?」とか「次の展開4→5→6にしようか」って会話がひんぱんに飛び交うようになります。
アルファベットではなく番号を使う理由はどんな楽曲でも番号の役割が変わらないから。たとえば本番前に違うKeyに転調することになったとしても対応できるため。などの理由なんです。まあ、最初は理解しなくていいです。これらは大事なことなんですが、ある程度、ギターを弾いていってから使うようになればいいレベルの話なので、いまは頭の隅にでもおいて置いたらいいと思います。
今回の記事で取り上げた3つの基礎をしっかり体得することが、最も大切なので、基礎をまずはしっかりと理解しておいてくださいね。
この記事を書いた人
ギタてぷ管理人:ギタてぷサイトの運営管理をしている人。プロのギタリストとして活動後16年間守秘義務を真面目に守ってギターを辞めていた。2022年夏頃にギターを再開。プロのいじ。詳細は以下のリンクよりどうぞ。 →管理人のプロフィールページ |