Fコードの壁を乗り切る&コードを覚えるコツ(TAB譜つき)

「いつも聴いている大好きな曲を自由に弾き語りしたい!」

「いろんな曲を歌詞についているコードをみてすぐ弾けるようになりたい!」

そんな目的でギターを始めた方も多いと思います。エレキギターに限らずアコースティックギターを片手に弾き語りをしたり、歌の伴奏としてギターを演奏したい場合には、オープンコードを覚えて弾けるようになったり、時には難しくて覚えにくくて難しい押さえ方のコードが入った楽曲のギターを弾く必要性が出てきますよね。

そこで今回は、

基本のオープンコードの押さえ方と弾いていて楽しいコード進行の例、そしてギターを始めたら必ずぶつかる壁であるFコードの乗り越え方を主体としてご紹介していきます。

その上で押さえ方の難しいコードの覚えにくさを解消するための覚え方のコツを合わせてご紹介していきます。それでは基本のKey=Cコードからみていきましょう。

ギターの基本:オープンコードの押さえ方(Key=Cの場合)

まずは基本のKey=Cのオープンコードをみていきましょう。以下の図をみてください。

1番のC、2番のDm、3番のEm、4番のF、5番のG、6番のAm、7番のBm。これらを覚えて自然にコードを押さえられることが最初のステップです。

今回のオープンコードを覚えることにより「カポタスト」を使うことで、ギターという楽器はエレキギター、アコースティックギターに限らず同じ押さえ方でいろんなKey(楽曲の調)のコードを同じ押さえ方で押さえることができる便利な楽器です。

上のアイテムがカポタストです。僕が愛用しているのはPhoenixさんの998円のカポタストです

ギターが上達するうちにカポタストなしでも、いろんな曲を瞬時に演奏することは可能ですが、ギターを始めたばかりの頃はカポタストを使って様々なKeyの楽曲を弾けるようになるのがカンタンでしょう。

実際に僕が押さえている手のフォームと合わせてKey=Cのオープンコードの押さえ方をみてみましょう。

オープンコードのCコードの押さえ方

Cコードは薬指を5弦の3フレット、中指を4弦の2フレット、人差し指を2弦の1フレットに押さえて、1~5弦を弾きます。6弦は鳴らさないように弾かないか、薬指の腹で軽く触ってミュートをします。

オープンコードのDmの押さえ方

Dmコードは、中指を3弦の2フレット、薬指を2弦の3フレット、人差し指を1弦の1フレットで押さえ、1~4弦までを鳴らします。5~6弦は弾かないようにします。

オープンコードのEmの押さえ方。最初難しかったら違う指での押さえ方でも大丈夫です

Emコードは、上手な人ほど、5弦の2フレットを中指で押さえ、4弦の2フレットを薬指で押さえることが多いです。5弦の2フレットを人差し指、4弦の2フレットを中指で押さえても問題はありません。

Fコードの押さえ方。オープンコードではなくBmコードと共にバレーコードと呼ばれています

Fコードは、人差し指で6弦&2弦&1弦の1フレットを押さえ、薬指で5弦の3フレットを押さえ、小指で4弦の3フレットを押さえ、中指で3弦の2フレットを押さえます。Fコードの人差し指のように複数弦をひとつの指で押さえることを「セーハ」といいます。これは後で出てくるBmコードにもあります。Fコードは1~6弦すべての弦を弾きます。

Fコードは全ての弦を指で押さえる必要があって、ギターを始めたばかりの頃の最初の壁として誰もが経験するコードです。乗り越えてしまえば、いろんな応用が効きますし、カポタストを使わなくても様々な調の楽曲で使える押さえ方です。

今回の記事でFコードを克服する方法を後述しますので参考にして練習しましょう。

オープンコードのGの押さえ方

Gコードは6弦の3フレットを中指で押さえ、5弦の2フレットを人差し指で押さえ、1弦の3フレットを小指で押さえます。1~6弦全ての弦を弾きます。

Bmコードの押さえ方。Fと同じく人差し指がセーハになっていますね

Bmコードは、5弦&1弦の2フレットを人差し指で押さえ、4弦の4フレットを薬指で押さえ、3弦の4フレットを小指で押さえ、2弦の3フレットを中指で押さえます。Bmコードは1~5弦を弾きます。6弦は弾かないか、人差し指の指の腹で軽く触れてミュートします。

上記7つのコードを押さえられるように練習していくのが、ギターを始めたばかりの方が弾き語りや伴奏としてギターを演奏するための基本中の基本の技術&押さえ方になります。

とはいえ、最初から学校の勉強みたいにすべて暗記する必要なんてないんです。弾いてみたい曲を繰り返し練習していくことで自然とコードは身についていきますから、気楽にいきましょう。

ということで、より実践的な内容、弾いていて気持ちよさそうなコード進行を次にご紹介します。多くの楽曲に使われている最も有名なコード進行です。

Key=C のカノン進行を覚えよう(基本)

Key=Cのカノン進行の例。今回紹介したコードの中の5つが出てくる上に応用が効きやすい便利なコード進行です

上のコード進行は「パッヘルベルのカノン」として知られる余りにも有名なコード進行です。単純に「カノン進行」と呼んだりします。数多くのポップス、ロック、メタルなどジャンルを問わずに使われている王道のコード進行であり、覚えておいて絶対に損はありません。

また、このカノン進行を使って作曲をしたら、どんな人がつくっても名曲に聴こえるというチート的なコード進行でもあります。ギターの弾き語りをして自分自身で作曲をして歌を歌ってみたいという場合にはぜひ一度覚えて曲をつくって頂きたいと思います。

ちなみに中~上級者になると、コード進行の呼び方として「1→5→6→3→4→1→4→5」とか「Ⅰ→Ⅴ→Ⅵ→Ⅲ→Ⅳ→Ⅰ→Ⅳ→Ⅴ」と呼ぶことがあります。Ⅰが曲の基準のコードでⅣがサブドミナント、Ⅴがドミナントとか呼びます。それぞれ意味があるのですが、それを解説してると長くなるので割愛します。頭の隅にでも置いておいてください。

さて、練習方法です。今回は簡単な4分の4拍子のダウンストロークです。左手でコードを押さえながら右手のピックまたは指でジャンジャンジャンジャンというように上から下方向に弾きます(太い弦の方から細い弦の方に右手で弦を弾く方法をダウンストロークといいます)

どんな練習でも練習する時の基本は、必ずメトロノームを使うことです。そしてゆっくりしたテンポ(BPM)から練習することが大切です。できるようになったら、少しずつ早いテンポで練習をする。というのが最も確実に上達できます。

メトロノームを使わなくても、ある程度上達というか、弾けるようになりますが、音楽はリズムで出来ていますので、弾き語りでも伴奏でも、あるいはバンドで合わすにしてもリズムを取れない人は下手なのもギターであり音楽です。最初からメトロノームを使って練習していきましょうね。

さて、次にカポタストを使ったバリエーションをご紹介します。有名なあの曲が弾けます。

2カポのカノン進行でマリーゴールドのサビを弾いてみる

Key=Dのカノン進行。カポタストを使えば、あいみょんのマリーゴールドのサビが簡単に弾けます。

カポタストを2フレットに装着して、先ほどのKey=Cのカノン進行とまったく同じ押さえ方で弾いてみると、あいみょんのマリーゴールドのサビを弾き語りすることができてしまいます。

表記は一見すごく難しくなりましたが、カポタストを付けることで開放弦が2フレットになります。押さえ方をそのままにKey=CからKey=Dに移調することができるのがカポタストのメリットです。

TAB譜のFだったところがGになっています。ここも2フレットにカポタストがあるので、押さえ方はFコードとまったく同じです。FコードがGコードになっているのですが、カポがあるせいで、Gのオープンコードの押さえ方はできません。代わりにG→Aに移調したAコードはGコードの押さえ方と全く同じです。

このようにカポタストを使うことで、簡単に移調することはできますが、どうしてもFコードやBmコード、派生形バレーコードのCコードやFのマイナーのFmコードなどなど、いつかは乗りこえなくてはならない、俗にいう「Fコードの壁」は避けられないんですね。

というわけで次の項で、Fコードを少しずつ簡単に克服していく練習方法をご紹介します。

どうやったらFコードの壁を簡単に克服できるのか?

1=基本のFコード 2=Fコードの低音3和音 3=Fコードの高音3和音

Fコードのように全部の弦を指で押さえて、人差し指や薬指でセーハ(同時に弦を押さえる)をするコードの乗り越え方として、上の画像の演奏パターンをそれぞれみてみましょう。

【画像の1】は左手でギターの1~6弦の指板を押さえる基本のFコードの押さえ方です。【画像の2】をみてください。6弦の1フレットと5弦の3フレット、4弦の3フレットだけを押さえている状態ですね。左手のフォームはFコードのままで、4~6弦の三和音だけを押さえることに意識して弾いてみましょう。

【画像の2】の3つの和音がしっかり出るようになったら【画像の3】に進みます。

押さえ方はFコードのフォームのままで【画像の3】を弾きます。3弦の2フレットと2弦の1フレット、1弦の1フレットの三和音がしっかり鳴るように意識して弾いてみましょう。しっかり鳴らせるようになったら【画像の4】に進みます。

【画像の4】はFコードのフォームはそのままに低音側の3弦~6弦の四和音をしっかり鳴らせるように意識して弾きます。次に【画像の5】。同じくフォームをそのままに1弦~4弦の四和音を鳴らせるように練習しましょう。

【画像の6】はFコードの低音側の五和音をしっかり鳴らせるように意識して弾き、【画像の7】はFコードの高音側の五和音をしっかり鳴らすように意識して弾きます。

このように三和音から四和音、五和音、六和音すべてを弾けるように弦を弾く数を増やしていけば、最初から6つの弦を押さえようと思うよりも簡単に練習を始めることができますよね。

極論でいえば二和音からスタートしてもいいのですが、それだとパワーコードから始めた方がいいかもしれません(→パワーコード講座の項目を参照

このようにFコードを押さえる時のチカラを分断して押さえてみることで、無駄な力みをすることなくギターの指板をグリップすることができるようになります。最初はとにかく力みがちなんです。余計なチカラが入って力んでばかりいると指の怪我にもつながりますから、無理しないためにも少しずつ鳴らせる弦を増やしていくことが大切なんです。

このように同じFコードでも工夫しながら練習をして慣れてくることで力むことなく必要なチカラでグリップする、指板を押さえるだけでもキレイに和音を、Fコードなどのバレーコードを押さえることができるようになります。

Fコードの壁にぶちあたって、悩んでいる人が近くにいたら、友達や家族、大切な人にいたら、どうかこの練習方法を教えてあげてくださいね。

さて、ここまではFコードの壁に特化した解決方法でした。でも、そもそも

「今回のコードひとつひとつとっても、覚えるの大変!」

ギターを始めたばかりの方ほど、そう感じる方も多いと思います。そこで最後に「どんなコードでも簡単に覚えられる方法」をご紹介したいと思います。新しいコードを覚える時のコツ!として取り入れてみてください^^

超かんたんなギターコードの覚え方【例:DmとC7(#9)】

Dm(ディーマイナー?)なんだよ呪文かよってアナタ。頭ではなくカラダで覚えてみるとよいです

とりあえずコードを覚える時はいったん押さえていったん忘れる(違うことをやる)この繰り返しがラクです。一日に習得するコード数は無理なくするなら4つ程度。急ぎの時は8つ程度でよいと思います。

上の図はDmのオープンコードのポジションですね。ギターを始めたばかりの頃、特に最初はTAB譜をみてみないと押さえることは難しいと思います。ですので、まずはTAB譜をみて押さえます。

ある程度Dmの押さえ方が掴めてきたら、いったん違うことをしましょう。LINE漫画を読むもよし。SNSをやるもよし。何か違うことなら何でもよいですが、それぞれ30秒までやったら、またDmを押さえましょう。

押さえられて右手で弾いて気が済んだら、また30秒間違うことをやります。その人間の脳というのは覚える→思い出す、となる前に、覚える→忘れる→学ぶ→覚える…という流れが基本です。

Dmを絶対に覚えるぞーって意気込んで1時間ずっと同じ押さえ方をして弾いても良いんですが、つらいと思いますし、それがFコードみたいなバレーコードだと余計つらいですよね。指も痛くなりますし、つらい。

つらくなると人間の脳は「痛み」や「嫌なこと」として認知します。ギターのコードを覚えるのが苦痛になってしまったら、ギターを弾くのもつらくなります。それはNG。

とても大切なことをこれからいいます。

ギターを自由に弾けるようになるための一番の工夫は「痛み」ではなく「楽しい」とか「嬉しい」みたいなポジティブな感情をギターを弾くことやギターのコードを覚えることに結びつけることです。

Fコードの壁とか、難しいコードに苦手意識がある人とそうでない人の差は「嫌だな」とか「つらいな」とか「めんどうだな」と感じているか「簡単だな」「楽しいな」「余裕だな」と感じているかの違いです。これはコードを押さえるだけでなく、ギターの演奏の全てのことに当てはまることでもあります。

たとえば次のコードをみてください。

C7(#9)ときくと呪文に感じるけれど、押さえ方を覚えるとカンタンになります

C7(#9)というコードはCメジャーコードに7thと#9thが加わったコードです。

と書くと難しそうと感じるでしょう。

押さえ方は上の画像の通り、そんなに難しいものではありません。ちなみにこの7(#9)系はジャズやフュージョンなどで多用されているほか、ポップスでもアクセントでよく使われるコードです。

字面が難しそうだけど、TAB譜でみたらこんな感じ。押さえて響き確認すると、変わった響きしてるなー。はい!そこで一旦30秒、LINE漫画でも、ネットサーフィンでも、テレビでも何でも挟みましょう。

30秒経ったら、また押さえてみます。分からなかったらTAB譜をみて、また学んで覚える、鳴らす、他のことやる。この繰り返しです。

最初は分からないストレスが少しあるとは思うんですよね。でも慣れてくると無意識に押さえられるようになる。そうなるとストレスに感じませんよね。

こうやって繰り返してしっかり覚えるプロセスをして、例えば一日に新しいコードを4つ覚えていったとします。

10日で覚えるコードは40個になります。30日で120個。そうやっていくうちにコードの規則性が分かってきて、覚えるのがどんどん簡単になっていきます。だいたい120のポジションを覚えたらほとんどの弾き語りはできますし、400くらいのポジションを覚えたらほとんどのエレキギターのコードアレンジを自由に演奏することができます。

楽しくギターを弾く。ギターを練習する工夫をしよう

実際はそんなにコードを覚え続ける必要はないですし、復習を数日にわたってやっていいわけで、弾きたい曲を練習するだけなら一曲あたり3~12くらいのコードくらいしか出てきませんので、あくまで数字は例です。継続はチカラなり。という言葉があるように、必要ならそれくらい覚えることができるわけですね。

ギターの練習はコードを覚えることだけではないですし、人それぞれ上達したい内容も違うので、そこは何よりも楽しくギターを弾いていけたら良いと僕は思います。そもそも使うことのないコードは覚える必要がないです。あくまでもコードを覚える時のコツとして今回ご紹介しました。

まずは今回の記事で紹介したカノン進行をKey=Cのオープンコードで覚えてみて、それから違うポジションでKey=Cのカノン進行を弾けるようになる、くらいの考えでいけたら、コードってさくさく覚えられるし、コード進行のあるある、定番なんかも分かってくると思います。

楽しんで気楽にコードを覚えて、楽しんで練習していけば、弾き語りは数日~数週間中にはできるようになります。

是非たのしんでギターを練習したり、ギターを演奏することを思いっきり楽しみましょうね。ギターは弾けるようになってくると間違いなく楽しくなりますよ^^

この記事を書いた人

ギタてぷ管理人:ギタてぷサイトの運営管理をしている人。プロのギタリストとして活動後16年間守秘義務を真面目に守ってギターを辞めていた。2022年夏頃にギターを再開。プロのいじ。詳細は以下のリンクよりどうぞ。
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