パワーコードで始めるギターTips(TAB譜つき)

これからギターを始めよう!でもコードとか知らないし、何をやったらいいか分からないよ!そんなあなたに今回は超初級のコンテンツ、パワーコードでエレキギターを演奏する方法をご紹介します。

超初級というだけあって、ギターを始めたばかりの方でも簡単に弾けるのがパワーコードです。ですがあなどるなかれ!ギターがどれだけ上達しても使い続けるのがパワーコードであり、形と進行を覚えていくことで、あらゆる楽曲のギター演奏が可能になっちゃうのもパワーコード、なんです。

パワーコードは簡単

パワーコードというのは、押さえ方がすべて同じです。押さえるコードによってギターのフレットの場所が変わるけれど、押さえ方は変わらないのです。基本の押さえ方をCコードでみてみましょう。

①と②は押さえる場所(ポジションといいます)が違うけれど、同じCのパワーコードです。

上の図の①は人差し指を5弦の3フレット、薬指(または小指)を4弦の5フレットに押弦したCのパワーコードです。バンドのメンバーにCのコードを弾いてください。と言われたら、とりあえずこの①を弾くだけでいいです。

②は弦が違うけれど、まったく同じ音程のCのパワーコードです。6弦の8フレット、5弦の10フレットでも同じCのパワーコードが弾けます。

次にもうひとつ弾く弦を増やしたパターンのCのパワーコードをご紹介します。

ひとつ弾く弦が増えたパターンのパワーコード。押さえ方は同じです。

③と④の音は同じCのパワーコードです。③の押さえ方は人差し指を5弦の3フレット、薬指(または小指)で4弦の5フレットと3弦の5フレットを同時に押さえます。ギターの押弦で同じ指で複数の弦を押さえることをセーハ、またはバレーといいますが、このパワーコードの押さえ方はギターの押弦の中で最も簡単なセーハ&バレーの押さえ方になります。

④の場合も押さえ方は同じです。①と②が上手くできたら、③と④の押さえ方をやってみると良いでしょう。この押さえ方なら、ギターを始めて初日から押さえられると思います。そして、これこそがパワーコードなんです。だからパワーコードは簡単なんですよね。

パワーコードの構造

パワーコードの構造というと、難しく感じるかもしれませんが、簡単なことなので、さらっと読んでみてくださいね。

先ほどの③の例で説明します。

③の5弦の3はド、4弦の5はソ、3弦の5はドです。④の構造も同じです。

③の5弦の3フレットはド(C)4弦の5フレットはソ(G)3弦の5フレットはオクターブ上のド(C)です。これらは低い方から1度、5度、8度と音楽的にはいいます。1度の音はコードのルート音といいます。1度の音を基準に様々な度数の和音が合わさって、ほとんどの音楽のコードは成り立っています。

パワーコードの場合、面白く、かつ素晴らしい特長があります。それは、どんなコードだろうが、同じ押さえ方で弾いていい。ということ。詳しく説明しますね。

パワーコードの便利さ

ギターで押さえるコードには、メジャーコードやマイナーコードがあり、さらに難しい音の入ったコードもたくさんあります(←7thや9thや13thなど、今は覚えなくていいです)

それらのどんなコードであっても、パワーコードを弾けばいい。ギターの演奏として成り立ってしまう。という便利な特長があります。

たとえばバンドでセッションする曲があったとして、Cm7(9#)みたいなコードが出てきても、ギタリストは上の図の①を弾いて、他の難しいコードをピアノの人に担当してもらえばいいし、ピアニストいなくても曲として成り立っちゃう。みたいなイメージですね。

そして押さえる形は、どのコードでも一緒なんです。だから指の形はそのまま、フレットのポジションだけを移動させるだけで、ほとんどのギターのバッキングができてしまう!という簡単かつ便利なのがギターのパワーコードなんです。

さて、文字で言っていても分かりにくいですし、ここからはTAB譜を使って解説していきます。どの例も初歩的なものばかりです。ギターを手に取って弾いてみてください。メトロノームを使って練習するとなお良いですが、とりあえず今回はいいでしょう笑

TAB譜でカンタン、パワーコードを弾いてみよう!

カノン進行の基本形。これをそれぞれ2フレット分ブリッジ側にずらすとあいみょんのマリーゴールドになります

あいみょんさんのマリーゴールドでおなじみのカノン進行。この進行で曲を作ると不思議とどんな曲も名曲に感じるという曰くつき(?)のヨハン・パッヘルベルさんのカノンのコード進行です。

弾いていても多分かんたんで気持ちいいと思います。今回はKey=Cですが、これをそれぞれ2フレット分ブリッジ側(ピック持ってる方)にずらすとKey=Dになって、あいみょんのマリーゴールドがパワーコードだと弾けちゃうんです。

C(5弦の3フレットと4弦の5フレット)をD(5弦の5フレットと4弦の7フレット)にずらす。次のG(6弦の3フレットと5弦の5フレット)をA(6弦の5フレットと5弦の7フレット)にずらす。次の…って感じでずらす感覚を実際にやって覚えていってください。Key=CからKey=Dに書き直したTAB譜を自分で書いてみるのも勉強になるのでオススメですよ。

ちなみにアコースティックギターでマリーゴールドを弾き語りしたいって方にはパワーコードで弾くのはオススメしません。あくまでエレキギターで伴奏をサブでかけるような使い方ですね。

同じような進行でも、楽曲のキーやコードによってポジションが上にいったり下にいったりするのもギターの特徴ですね。

こちらはよりロック&メタルよりの進行。ジャーマンメタルバンドのGAMMA RAYの「Last Before the Storm」という楽曲のギターソロ後半のバッキングの一部をカンタンにしたものです。

ギターの音を歪ませて、ジャーンって感じで弾いていきたい感じですね。これもほとんどカノン進行です。カノン進行の派生形といったところですね。

3つの弦を弾くようにTAB譜を書いていますが、最初は2つの弦を押さえるパワーコードを押さえるだけで大丈夫です。うまく弾けるようになったら3つの弦の形で弾いていきましょう。

ちなみにこのTAB譜のBPM(テンポ)は100になっていますが、この表記だと原曲の場合BPM212です。最初はメトロノームを使って、ゆっくりから始めて少しずつテンポを上げて練習していきましょう。

たしかマシンガンズさんの「illusion city」も上のコード進行と同じ進行だった気がします。

これもメタルの楽曲にあるあるの進行です。メタリカのモーターブレスあたりがこんな感じの進行だったと思います。ちなみに上の画像に表記されている(Ⅵ→Ⅳ→Ⅴ→Ⅲ)などの数字はkeyにおける進行のパターンで、一度覚えてしまえば、ああ、この曲もこの進行じゃん!みたいに理解できるようになるためのものです。マイナーキーだとⅥがKeyの基準のコード。メジャーキーだとⅠがKeyの基準のコードです。

ちなみにⅡとⅣはサブドミナント、ⅢとⅤをドミナントと言ったりします。サブドミナントはドミナントに行きたがり、ドミナントは曲の基準(ルート)のコード(ⅠかⅥ)に行きたがる性質がある、みたいなものです。将来作曲したい人や、譜面なしで弾けるようになりたい人なら覚えておいた方がいいですが、まあその辺は最初のうちは無視しても全然大丈夫です。

刻んでるけどカノン進行形。刻むとよりカッコよく聴こえるカノン進行笑

パワーコードを弾いてから、単音をブリッジミュート(右手の小指側の腹で弦を触る)で音を刻んでいくフレーズ例。ギターならではのロックっぽいフレーズになりますね。

画像のEmのところは難しかったら6弦の開放弦(0)ではなく5弦の7フレットを弾いても大丈夫です。オクターブが違うだけなのですが、刻み系ということと、ギターの構造を知ってもらいたいのもあって、少しTAB譜の難易度を上げてみました。

エレキギターの刻み系フレーズは、ロックやパンク、J-POP、アニメの主題歌などなど、いろんなジャンルで欠かせない技術となっていますので、練習しておくに越したことはないですね。弾いてて楽しいってなってきたらこっちのもんです笑

さて、次に弾けるとカッコイイ系の名曲のイントロ例を挙げていきます。

名曲から学ぶパワーコード(TAB譜)

聴いたことない人いないんじゃないってくらい有名なフレーズ。CMでもよく流れますね

T.REXの「20th Century Boy」のイントロの有名すぎるフレーズ。パワーコードに6弦の3フレットをアクセントで入れていますね。

同じように使われている曲は多くて、LUNA SEAさんの「G」という楽曲のイントロにも使われているフレージングです。「G」のほうは難易度高すぎますが、弾けるとカッコイイですよ。

こういうエレキギターを持って弾くとカッコイイし、みんな知ってる系のフレーズって弾けるようになって人に披露すると「おおっ!ギター弾けるん?すごい!」って反応もらえて最初のうちは特にモチベーションが上がりますよ♪

これも知らない人はいないんじゃないか?くらい有名なフレーズ

The Knackの「My Sharona」のイントロです。「知らねーよ!」って方、弾いてみてくださいな。TAB譜をみてもイメージを掴めないのであれば、Youtubeで探してみると良いと思います。多分聴いたことがあると思います。

この曲の奏法は1~3小節目までは、オクターブの単音フレーズです。押さえ方は同じで人差し指で6弦の3フレットを、薬指で4弦の5フレットを押さえて弾きます。4小節目以外はパワーコードではないですが、構成音は同じですね。4小節目は普通にパワーコードです。

アイ・ウォント・アウトでは「ピロピロピロピロ」鳴ってる後ろでこんなギターを弾いてるんですw

HELLOWEENの「I Want Out」のイントロのバッキングパートです。譜面の×4は4回繰り返した後に5番の小節に行くという意味です。

この楽曲のバッキングには音を伸ばすパワーコードと刻みがバランスよく入っています。慣れると簡単なのに、カッコ良いギターフレーズですね。

ちなみに当サイトのプロフィールページをみても分かるかと思いますが、中学3年生くらいから、HELLOWEENとGAMMARAYのファンです。ビクターのスタジオでお会いできて、一緒に写真撮って楽しい時間を過ごせるとは、中学の頃は思いませんでした笑

彼らの楽曲からは簡単なフレーズから、テクニカルな要素まで、いろいろ学ぶことが多かったですね。何より楽曲のアレンジと歌メロがカッコよくて好きです。個人の感想ですけどね!

結論:パワーコードはつかえると超便利

このように、いろんな楽曲にパワーコードは使われています。楽曲をたくさん弾いていくうちに同じパターンがたくさんあることに気づくと思います。多くの楽曲あれど、使うコード進行ってだいたい決まってるものですからね。

同時にパワーコードの便利な点があることも学べたと思います。あいみょんのマリーゴールドを原曲キーで弾きたいならCからDにコード進行を移調するだけ。ボーカリストさんの声の出る範囲によって、原曲よりも演奏するキーを下げたり上げたりする機会は、バンドの場合多いです。そういう時にパワーコードならカンタンにできちゃう!というのが素晴らしいところですよね。

パワーコードの発展形のコードは6弦ルートのポジションでも5弦ルートのポジションでもあります。つまり、最初にパワーコードを覚えて弾けるようになっておけば、あとあと、同じ要領でちゃんとした構成のコードを弾けるようになるということです。

やっておいて損はない!というのがパワーコードですので、この機会にぜひ練習していってくださいね。

この記事を書いた人

ギタてぷ管理人:ギタてぷサイトの運営管理をしている人。プロのギタリストとして活動後16年間守秘義務を真面目に守ってギターを辞めていた。2022年夏頃にギターを再開。プロのいじ。詳細は以下のリンクよりどうぞ。
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